脳の構造と仕組み

脳の構造と仕組みを知る

 

ここで、脳の基本的な構造や仕組み、働きについて、簡単に見ておきます。

 

私たちの脳は、人間の持つ約3万個の遺伝子の約3分の1によって作られ、維持されており、心身の働きのすべてに関係しています。

 

その処理能力たるや、どんなに高性能のパソコンよりも速く、精密です。

 

脳は、大脳、小脳、脳幹という3つの部分から成り立っています。

 

●大脳
大脳は、右脳と左脳に分かれています。それぞれが前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つの部位に分かれていて、各部位は次のような働きをしています。

 

前頭葉……感情や思考などに関わる。身体の動きにも関係する。
頭頂葉……咸−覚や味覚、空間感覚に関わる。数字の処理にも関係する。
側頭葉……聴覚や嗅覚に関わる。記憶や判断などにも関係する。
後頭葉……主に視覚に関わる。

 

また、大脳の深層部に位置する大脳辺緑系には、短期記憶に関する海馬や、本能的な情動を支配する扁桃体、運動に関わる大脳基底核と呼ばれる器官か存在します。

 

このように、大脳は人間の高度な精神汗動に関するあらゆることに関わっています。

 

ものを見たり、手を曲げたりといった体の動きと、楽しい、悲しいといった感情の動きとの両方をコントロールしていますし、膨大な過去の記憶を保存するハードディスクのような役割も持っているのです。

 

●小脳
小脳の体積は脳全体の約10分の1にもかかわらず、表面積は大脳の約50%以上にもなります。

 

小脳は、主に身体のバランスをとる役割を担っています。

 

意識して行う運動(随意運動)や、楽器を演奏する、自動車に乗るなどの体で覚える運動記憶(手続き記憶)もつかさどります。

 

またご最近では情動のコントロールや感情の動きにも関係することがわかってきています。
心にも関係が深い器官です。

 

●脳幹
脳幹は、生命を維持するために働きます。

 

体温の維持や心臓の鼓動、肺の呼吸といった基本的な機能をはじめ、生命を保つ働きすべてを背負っています。

 

体のすみずみから集められた情報は、脊髄を通って脳幹を経て、大脳や小脳にたどりつきます。

 

幹は小さいけれど、人間か生きるうえで必要な機能が凝縮して詰め込まれているのです。

 

また、脳幹の上部にある視床は、嗅覚以外のすべての感覚の中継地点です。

 

視床からつなかった視床下部は「欲の中枢」といわれ、食欲や性欲のコントロールセンターともなります。

 

そこから前方に下垂している脳下垂体は、視床下部の支配を受けて、さまざまなホルモンを分泌して体の状態をコントロールしています。

 

このように脳は、大脳、小脳、脳幹という3つの部位が互いに連携し合いながら、複雑な働きをしているのです。

「年齢とともに脳が衰える」ということではない

 

以前は加齢とともに脳細胞が減り、脳の働きが悪くなると考えられていたのですが、1918年、スウエーデンの研究者らによって

 

「海馬をはじめとした脳のいくつかの部位では、新たに新しい神経細胞が生まれ続けている」

 

ということが発表されました。

 

海馬は、大脳辺縁系の一部で、記憶のメカニズムの中枢的な役割を果たしています。

 

私だちが、日々見聞きしたことや体験して得た情報を、最初に受け取って、その中から半永久的に保管する情報を選別して、大脳皮質という場所に送っています。

 

海馬はつまり、「記憶の司令塔」とも言えます。

 

この海馬が働かなくなると、私たちは新しいことが覚えられなくなってしまいます。

 

昔のことは覚えていても、新しいことはすぐに忘れてしまうのです。

 

ただし、その海馬の神経細胞が新たに生まれ続けているというわけですから、年齢とともに脳の機能が衰えていくなどということはなく、成長していく可能性を秘めているのです。

 

これは、いつまでもボケない、若々しい脳を持ち続けたい方々にとって朗報ではないでしょうか。

 

とはいえ、脳に何の刺激もない、単調な生活を送っていれば、脳の働きは低下します。

 

せっかく生まれた新しい神経細胞もあえなく消えてしまい、脳は老化するばかり。

 

だからこそ、日々の生活の中で脳を意識的に刺激し、活性化することが大切なのです。

 

page top